温泉街再生の仕掛け16のポイントとは。湯布院、別府、黒川温泉の秘密

温泉街軒並み衰退する温泉街は全国各地で後を絶たず、その割には来客数や規模が成長する温泉街もある。

 

タイトルに触れたように、湯布院、別府、黒川温泉などは勝ち組にあたる温泉街である。しかしなぜ、勝ち組と負け組で明暗を分けたのだろうか。分かれた明暗は、もう変える事は出来ないのか。

 

筆者は信じて進めば変える事が出来ると思う。しかしそれには選択と決断、そしてわずかながらテクニックが必要で、それを間違えてはならない。

 

今日はその再生への道筋を「考え方・決断・行動」という視点から一筋の光を照らしたい。全ての温泉街が復活し、魅力あふれる街作りになる事を筆者は願っている。是非テクニックを盗みまくって欲しい。

目次

1.現在地を知る
1-1.現在地をなぜ、知るべきなのか
1-2.知ってから分かる事
1-3.知る方法
1-4.知るポイント
2.目的地はどこか。設定する
2-1.リーダー不在では話しにならない
2-2.一致団結出来るか
2-3.皆で目指す位置を決める
2-4.なぜ決める必要があるか
2-5.決める前にしておく事
2-5-1.ライバルを知る
2-5-2.自分を知る
2-5-3.立地・環境を知る
3.再出発に必要なコト
3-1.紙一重をどこまで追いかけられるか
3-2.動くときは一斉に
3-3.止まれば負け
3-4.たった1回の決断が運命を決める

1.現在地を知る

 

基本戦略の最初のステップ。まずは状況診断である。何をしようとも、まずは現在地把握がないと「絶対」に失敗する。面倒くさいがなまけてはいけない。あなたには時間がないはずだ。だからこそ抜けてはならぬ最初のステップだ。

 

1-1.現在地をなぜ、知るべきなのか

 

筆者は経営を、登山や船乗りに例える。あなたは温泉街の皆を乗せた船の船長としよう。食糧がない。皆疲れている。日も沈みそうだ。そのうえ船も老朽化が進んで、いつ水が入り始めるか分からない。

 

時間がないあなた。さて、どうにかしないとまずい事になるが、果たしてどうしようか。

 

そこで出てくるのは「地図」が必要だ。地図があれば、近くに立ち寄れる無人島があるかもしれない。港があればもっとラッキーだ。ないなら、ないなりに出来る事を考えていかないと黙って無駄死には避けたいもの。

 

ここで登場した地図こそが、現在地を知るという事だ。対策を打つ為にはあなたと、皆の状況から打つ手が非常に重要なので、現在地と現在の状況の把握が出来ているほど、打つ手の信ぴょう性と正解率は高くなる。

 

1-2.知ってから分かる事

 

今の現在地、そして現在の皆の状況を把握した時に、船長であるあなたは1手しかない手を打つ事が出来る。目視出来る場所に港が見えていても、水が入り始めていたり、こぐ船員のモチベーションが落ち切っていて、こげない状況にあれば、もっと近い無人島に行かなければいけない判断も出来る。

 

そして1日休養してから港にいけば良い。知らず地図ナシで距離も分からず進んでいたならどうなるだろうか。最も避けたい恐ろしい事が待っているのだ。

 

1-3.知る方法

 

把握する方法は、複数のポイントを数値化する事だ。温泉街内のスタッフのパフォーマンス能力、IT能力、企画力、温泉の質、料理、建物、老朽化、街の街並み、イベント、ウリ等を、沢山のポイントから知ろう。数字は全てを教えてくれる。

 

1-4.知るポイント

 

お客様のアンケートや声が収集出来れば、もっとも正解に近い。本当の答えを知っているのはお客様なので、あればあるだけ収集しよう。なぜ来たのか。また来るのか。何に期待しているのかなど、把握する事に挑戦しよう。

 

2.目的地はどこか。設定する

 

しっかり現在地を確認したら、目的地を決める時だ。くれぐれも前置きしたつもりだが、現在地と現在の状況を把握していないまま目的地を設定してはならない。到達出来ない可能性が高いからだ。目的地を設定するにあたってのポイントを公開しよう。

 

2-1.リーダー不在では話しにならない

 

あなたが船長になれば一番良い。が、そうはいかない場合もあると思う。船長を一人決めよう。のらりくらりしてはいけない。「○○においては○○さん」「○○の部分は○○さん」など決済権が何かの度に移行する事は避けなければいけない。

 

船長の号令のもと各役割分担があるようにする事。○○によって船長が変わらないようにしよう。これは絶対に必要なコトだ。実はこの事例かなり多いのでくれぐれも注意しよう。

 

2-2.一致団結出来るか

 

船長が決まれば残りは皆船員だが、以降皆にも役割が出る。一致団結出来なければ、目的地の話しすら出来る状況ではない。船員達もライバル意識があると思うが大事なのは勝ち組温泉街に負けない事のはずだ。相手の船の方が今や立派で船員も多く、食糧・燃料も多いのだからヒトで負けてはいけない。

 

2-3.皆で目指す位置を決める

 

ここでようやく目指す目的地を決められる段階に来た。船長は船員から話を聞こう。そして船長は決断するべきだ。温泉街で言うところの県外からの観光客1本でやっていこうとか、地元民に愛される県内客固定化を目指そうとか、高級化にしようとか、ざっくりでも良いから進む道筋を決めよう。

 

2-4.なぜ決める必要があるか

 

船をこぐ船員の右側の人間は右にある島に行くべきだといい、左の人間は左にいくべきだと言えってそれぞれにこぐと、きっとどちらにもたどり着けない。そして船に乗った事に後悔し、やがて命燃え尽きる。目的地は一定の評価をするためのゴールでもある。

 

何を持って辿り着いたとするか、決めておかないと、ゴールなきスタートほど、大変な道のりはない。どんなマラソンでもゴールテープがあるものだ。そのテープを決めて、皆で走ろう。県外客を年100万人到達を目指すとか、暫定的にそうしたもので良い。具現化に向けて何度も練り直せば良いのだから。

 

2-5.決める前にしておく事

 

目的地=ゴール設定をする際に、気を付けておかねばならない注意点が3つある。ご紹介するので要チェックだ。

 

2-5-1.ライバルを知る

 

あなたの向かう先にライバルの船が先に到達する事があれば、食糧も燃料も全て奪われている。あなたが行った後にはもう遅い。要するに同じ場所を目指すべきではないと言いたい。湯布院、別府、黒川温泉はそれぞれに個性がある。全く同じ景色で同じではない。あなたの向かう先も同じであってはならない。

 

2-5-2.自分を知る

 

皆のパフォーマンス価値を良く知っておく事が必要である。あなた達の「本当の資産」とは何だろう。「本当の優れた技術」は何だろう。これが分からないなら、差別化を図りにくくなる。

 

2-5-3.立地・環境を知る

 

ヒトの価値だけではない。たまたま流れている川に魅了されている人もいるし、備え付けの街の街灯がキレイだと、夜の散歩が楽しみな方もいる。それらがライバルにないとなれば、それは知っておかなければいけない。

 

3.再出発に必要なコト

 

 あなたは、これまで乗ってきた船を乗り換えて、新しい船で、新しい目的地へ向かう。向かうにあたって必要な最後の項目である。

 

3-1.紙一重をどこまで追いかけられるか

 

 繁盛店とそうではない所は、実は差があなたが思うより少ない。基本的にはネットを使ったり、紙を使ったり、人を使ったりして集客し、おもてなしをしている事の事実は同じなのだ。

 

あなたは名刺という武器しか使えないのに、うまくいっている温泉街が月1億のCMという武器を打っているなら物量差があるが、基本的に使用している武器は同じだろう。同じなのに差があるのは、「紙一重」の差を生み続ける他店の詳細へのこだわりでもある。どこをこだわれば、どこまでこだわれば紙一重を生み出せるか、あそこは分かっているのだ。

 

3-2.動くときは一斉に

 

 再出発の船をこぐ際が一番大変だ。一旦止まってしまうような状況になったあなた達は、途方にくれている。それをどうにかして再出発しようと思えば、止まっている船をこぎ始める事になる。こぐ時が一番力がいる。

 

飛行機の離陸もそうだ。離陸時がもっとも振動が多く、重量がかかり、危険が多い。やるなら一気にやろう。そんな思いをするのは最後にしよう。うまくいかないなんて2度とごめんだ。信じて頑張りたい。だから、一斉に漕ぎ始めよう。目的地に向かって。

 

3-3.止まれば負け

 

 漕ぎ始めたら、もう止めてはいけない。恐らく止まれば最後、もう動かなくなる。あなたも皆も分かっているはずだ。何度も大失敗をしては体力も精力も、燃料も食糧も底をつく。止まったら負ける。

 

3-4.たった1回の決断が運命を決める

 

上記に記載したが、燃料や食料はそんなにないはずだ。経営に置き換えると自己資金いくらお持ちか?1億持っているならいいが、余裕はないだろう。うまくいかないのだから、お金もあるはずがない。だとしたら、大きなアクションをそう何度も打てない。

 

そう、きっと1度くらいしか打てない。あなた達が正解をもって進もうとしているか、その選択と決断にかかっている。その差が、紙一重の差だけが勝負の運命をここまで大きく分けている事は既にご承知の通り。あなた達の紙一重は細部にわたっているか、よく考えよう。

 

分からなかったら分かる人間を連れていこう。船長と船員がいるのだから、あと必要なのは「航海士」だけだ。参謀がいれば心強い。あなた達の船出を心から祈っている。

 

まとめ

 

以上、繁盛温泉街がやっている紙一重の数々ご覧頂けただろうか。あなた達もぜひこの記事を活用して取り組んで欲しい。困っているなら航海士集団が私たちである。船も用意しよう。全ての温泉街が個性あふれる温泉街になれるよう、力の限りを尽くす事を約束する。

更新日:2015年4月7日